<東大教授>RNA論文のねつ造可能性認める 辞職は否定
"東京大大学院工学研究科の多比良和誠(たいらかずなり)教授は19日、毎日新聞の取材に応じ、英科学誌「ネイチャー」などに発表したRNA(リボ核酸)の遺伝子制御に関する論文について「実験データが改ざんやねつ造された可能性は否定できない」と不正疑惑を認めた。しかし、「実験は助手が担当しており、研究室ぐるみのことではない」と自身に辞職する考えのないことを示した。"
あ゛ー、あらあら。飛ぶ鳥を落とす勢いだった多比良氏。狭い業界なので私も知り合いと言うか~、筑波の寿司屋で酒のんだことありますが。
相当以前から川崎氏は怪しいという話は出ていましてたがね。
本気で追求すれば、捏造しているヤツなど山の様にいる。何処までやるか、ラボが何処まで有名かにもよるのだよね。ヘボいラボだと追求する気にもならないので安泰というか。
多比良研は派手にやりすぎた。
多比良氏は川崎氏のことを2年程前のネイチャーの取り下げ当時、捏造ならあそこまで必死に実験はすまいと語っていたが、、、。
多比良氏が知っていたのかだかどうか。
他人や他のラボが実験して再現できないという事は少なくない。行間ノウハウがあるから。そこのラボの職人技でないと成功できない、という実験は確かにある。
そういう辺りは、再現性が取れるかの検証は難しい。
また、実験ノートが無いというのは確かに怪しいのだが、では実験ノートを丹念にでっち上げたらどうなるのかと言う話にもなる。
まあ、今回はお粗末な捏造でバレたらしいが、完璧に偽装したらなかなか反証するのは難しい。
研究者の良心やプライドというが、まあ、命よりプライドが大事な人もいるだろろう。しかし、多くの若手のは不安定な雇用体系で、研究成果には生活が掛っている。今、東大にはパーマネントの助手はいない。例の川崎氏とて、任期付きの職員である。成果を挙げなければ生活が成り立たない。路頭に迷う。そういう状況だという事をこのニュースを聞いた人のどれだけが知っているのか。
勿論、彼を擁護する気は無いが、極端に言えば何ら特技のあるわけでもないサラリーマンが、安穏と終身雇用で生活していけるのに対し、博士号を取って、世界的な研究をしても数年後の身分の保証も無いのが今の日本の状況である。
博士やアカデミックな研究者は割りが合わない生活をしている訳だ。
例の川崎氏にしても給料は東大の助手なら規定の額しかもらえない。残業手当は一切つかない。彼は夜中まで取り付かれた様に実験をしていたという。
日本での、若手の博士や研究者の軽視がこういう事件の遠因になっているともいえるのではないのか。